【キャリコン事例】ライフラインチャート轍からひも解くパワーワードたち

主訴は、ライフラインチャート轍を元に自分の感情のスコアが上がる時の共通点やキーワードが知りたい』。

チャート内で上昇する際の共通点を見つけ出したいということで、事前に入力しておいてもらったライフラインチャート轍について説明してもらうところから始まりました。

クライアントは、以前に別で参加したプログラムでキーワードは見つかっていたものの、改めて今回のキャリアコンサルティングで見つけ直してみたいとのことでした。
ここでそのキーワードを聞くことで、そちらに寄ってしまうことを避けるべく、あえてそのキーワードは聞かずに進めていくことにしました。
フラットにクライアントの話を聴かせてもらい、一緒に見つけられるようにコンサルティングを始めます。

キャリアをデザインするうえで重要な要素が詰まった学生時代

幼少期、中学校、高校、大学、それぞれのステージで浮き沈みが大きいクライアント。とても暗い性格だったらしく、その「暗さの気持ち」を詩に綴っていたとのこと。「勉強」を軸にクライアントを取り巻く環境が浮き沈みのポイントであり、今後の社会人としての生き方・つまりキャリアデザインの基礎となったように感じます。

詩を綴っていたというので文系タイプかと思いきや、中学校からは“解くことに快感を覚えた!”数学に興味を持ち、ここから理系への第一歩が始まります。高校受験も無事第一志望へ進学することができてチャートは上昇をみせますが、しかし暗黒の3年間が待っていました。ここでチャートは大きな下降をたどります。

話しているクライアントを見ていても、この暗黒の3年間は色濃い期間であったように見えました。

自身を「クソ真面目」と表現し、学生の本分は学業であることから、その対角線上(=正反対)にいる「キラキラ」な同級生たちと馴染めなかったことが、下降の要因でした。
価値観の近い仲の良い友人ができても、対角線上の同級生の存在がどうしても気になり、モヤモヤとしたまま、卒業までを指折り数えている学生生活でした。

この後の大学生活では、ご自身の価値観とピタリと合う環境にいられたことから、そして広がる未来を感じられたことから上昇気流にうまく乗ることができたようです。

学生時代のアップダウンの話しの中に、クライアントが見つけたいキーワードのヒントとなるできごとや気持ちの言葉がちりばめられていました。一つ一つのことばを丁寧に選びながら話すクライアントに、しっかりと自分自身と対話をしているように感じます。

クライアントの特徴的な2つの反応

クライアントの話す姿勢の中で、2つの大きな特徴がありました。

1つ目は、同意事項や共感事項があると、その反応は大きく「そうそうそうそうそうそう!」と「そう」の連呼が続きます。
この反応があった時の会話や、テーマを忘れてはならないと肝に銘じながら、私は話を聴き続けます。この奥底にクライアントの本当に欲しいことが眠っているような気がしています。

2つ目は、慎重な「間(ま)」があること。ただの「間」ではありません。とても真剣に深く考えてくれていることが伝わる「間」でした。
徹底的に自身と向き合おうとされているように見えて、私も(絶対に「間」が終わるまで待ってやるぞ!)と思うほどです。ここは、キャリアコンサルティングの鉄則でもある、「”間”には割って入らない」を遵守。

この時間、クライアントの沈黙=間は、どのような思考回路になっているのか私の心に心地よい緊張感が漂います。

  • (これまでの対話の時間で築きあげてきた「ちゃぶ台」をひっくり返すような発言が出てくるのではないか)
  • (またはこちらからのアッと驚く返しを待っているのだろうか)
  • (それとも何も見つからないというクライアントが落胆してしまうのではないか)

グルグルと私の思考も巡ります。

この2つの反応は、私がクライアントをさらに理解するためのとても重要な要素となりました。

パワーワード盛りだくさんな社会人時代

社会人になったクライアントの轍は、さらにアップダウンを繰り返しています。
チャートが変化するポイントでは、

  • 「生きている実感」
  • 「家事をするために自分は生きているのか?」
  • 「家の中にいることが苦痛」
  • 「孤独感を感じたくない」
  • 「じっとしていたくない、何かしていたい」
  • 「未来が広がる感じ」
    という言葉たちが並びました。

海外での体験は、起業をめざす「キラキラ」した女性にテンションが上がり、帰国後いくつかの仕事を体験した後に出会った資格に、「キラキラ」を思い出し、その理論に衝撃を受けたと、興奮気味に話してくれたクライアント。

そんな話を聴きながらも、こっそり気になっていたのが、「暗さを綴った詩の話」でした。ポツリとつぶやくようにご家族が登場したことと、それをお話するまでに「間」があったことから、ずっと私のアンテナに引っ掛かったままでした。
とはいえ、ご本人があまり深くお話を進めなかったため、途中で話しを止めずに先へと聴き進めます。

「じっとしていること」を嫌だと感じていること、家の中にいることの苦痛、孤独を感じたくない、といった「点」たちが、「詩」の話でポツリとつぶやいたことと「線」に繋がるのかな?と一瞬頭をよぎりました。
しかしタイミングが合わず、このよぎったことは今回話題には出しませんでした。タイミングが合わなかったということは今日のテーマには、きっと縁のないことだったのかもしれません。

再度、学生時代の話に戻り核心をつく

クライアントの学生時代の「対角線上のキラキラ同級生」の話しに戻らせてもらいました。というのも、私がもっとも気になって、絶対に伝えておきたいことがあったためです。
クライアントの体験したことと似たような体験を、学生時代に私も体験しており、その時の「イヤな感情」の正体を私なりに知っていたため、それを共有したいと思っていました。

それをお伝えしたところ、私の話からきっといろいろなことを考えられたクライアントは、ご自身の中で発見できたことがあったようです。

「すごい。気づきがありました。そうだと思う。初めて自分の過去を整理できました。」

このように答えていただきました。
(このセリフは私自身もとてもテンションの上がる嬉しい言葉です)

クライアントにとっての「キラキラ」ということばは学生時代にも、社会人時代にも登場していました。
クライアントにとっての「キラキラ」の意味は、その時代ごとに違っていました。その深い意味を掘り下げていったならば、最終的にクライアントが求める姿の答えがそこにあると確信しています。

本日の主訴の目的をクライアントが達成できたのかは実は分かりませんが、別の視点で大切なことが発見できたようです。きっとご満足いただけた形で本日のキャリアコンサルティングを終えました。

今日のコンサルティングが、クライアントの次の一歩になってくれますように。

クライアント、その後

キャリアコンサルティング6ヵ月以上経過後に、その後の様子をお伺いしました。

Q コンサルティング後、変化を感じましたか? また、その変化を感じた度合いは?(4段階評価)

YES-3

Q どのような変化でしたか?

高校時代の振り返りと深掘り質問により、それまで気づかなかった感情に気づくことができました。

 

【ご意見お待ちしています】
https://seals-inc.com/contact

社名
所在地

TEL/FAX
設立
代表取締役

株式会社シールズ
〒108-0022 東京都港区海岸3-19-2
マリンシティダイヤモンドパレス716号室
03-3454-4339
2007年3月
澤田玲奈

事業内容
・人財開発コンサルティング事業
・不動産コンサルティング事業
・クラウドソリューション開発事業

〈社名〉
株式会社シールズ
〈所在地〉
〒108-0022 東京都港区海岸3-19-2
マリンシティダイヤモンドパレス716号室
〈TEL/FAX〉
03-3454-4339
〈設立〉
2007年3月
〈代表取締役〉
澤田玲奈

事業内容
・人財開発コンサルティング事業
・不動産コンサルティング事業
・クラウドソリューション開発事業