【コラム】部下視点の経験から見つけた「上司に必要なチカラ」

「上司に必要なスキル」については多くの記事や書籍がでていますが、今回はそのようなノウハウの話ではなく、私が部下だった頃の視点で、体験談から感じた「上司に必要なスキル」をお伝えします。

上司に必要なチカラは「理解力」と「決断力」

部下の立場から上司をみていると、「この人に相談して良かった」と嬉しい気持ちになることもあれば、「どうして分かってくれないんだろう」という気持ちになることが多々あります。

私がこれまで多くの「上司」に出会ってきて、多々な気持ちになった結果、行きついたことは、「上司」にはこの2つのチカラを持っていてほしい、ということでした。

「理解力」と「決断力」です。

理解力とは、「部下への理解力」。
決断力と、はそのままの意味です。特に「覚悟を持った」決断力です。

「理解力」だと思った根拠

上司に対して残念だと思ったエピソードが2つあります。
私が怒りを感じたできごとに対して、私ではなく対象のできごとや人物を上司が擁護したときに、それを強く感じました。

【残念ケース1】

営業職だった私は、クライアントから見積の金額について2通のメールを受け取ります。その2通は全く同じ内容のものだったため、間違えて同じ内容を2度送信したんだろう、ぐらいに思っていました。

その案件が無事納品でき、請求書をクライアントへ送った際、クライアントから「単価が違っています」という連絡がきます。
1通目のメールを確認すると、確かに「@1000」と記載があり、私はその単価で請求書を送っていました。

それを伝えたところ、「違います。@800です」というのです。もしやと思い2通目をみたら、単価の部分だけ、「@1000」が「@800」に代わっており、他の部分はまるっと同じ文面で、送られていたのです。

(変わった部分を伝えなさいよ!)

と沸々とするのですが、こんなにセコことをするビジネスパーソンがいるんだ、と悔しさと悲しみに襲われます。

ロット(数量)が大きいため、200円の差でも合計額にすればかなりのマイナスになるため、その報告とクライアントのせこさと私のこの悔しさを伝えに上司のところへ向かいます。

「これっておかしいですよね?」
を伝え、上司に理解してもらいたかったのです。

「そう、しょうがないね。向こうも(私に連絡をするのを)忘れちゃったんでしょ。マイナス分は、それほど影響がないから、そのまま進めて」

という上司の言葉。
悔しさや怒りの矛先はクライアントではなく上司にベクトルを変え、同時に、クライアントへ言うべきことを言えなかった自分にも悔しさが滲みます。

※当時は、見積書などの書面でやりとりしないぐらいのゆるい会社でした。

【残念ケース2】

これも営業職の頃です。外部企業の業務効率化システムを導入しますが、あまりに難解で、マニュアルを活用しても初期設定が全く進みません。運用フェーズにも入れないことから、さすがにこの仕様はひどい!ということで上司にも相談し、システム担当者を呼び出し、説明を求めることにします。

説明を求める場には、あいにく上司の都合が悪かったため、事情を把握したその上席が同席します。そのシステム担当者はいろいろと説明をした挙句、導入代行費用100万円を提案してきます。

その話の転換に驚きましたが(肝の据わった人だと感心すらします)、もっとも驚いたのは、その提案に対して上席が二つ返事でOKを出したことです。

(ちょっと待ったああああ!)
と咽喉から手が出そうでしたが、小心者の私は言えませんでした。

事前に上席と上司とで、こういう方向で問題点を伝えて、落としどころは無償で代行してもらおう、という段取りまでしたのに、180度異なった上席の態度でその場は終了します。

システム担当者を見送った後に、上司に経緯を報告し、自分が感じている怒りも伝えました。

「これっておかしいですよね?」
を伝え、上司に理解してもらいたかったのです。

上司は、「うん、まあね(ゴニョゴニョ)」で終了です。

こんなにも理解してもらえず、人に対して残念な気持ちになったことは無かったのでした。

 

「決断力」だと思った根拠

上司の決断力にとても助けられたエピソードです。私が迷った時の道しるべになってくれました。

【良かったケース1】

会社として初めてのプロジェクトの主担当として関わることになり、すべてのことに手探りで進めていた矢先、どうやっても先に進めない壁にぶつかりました。

Aを優先すれば、Cに影響が及ぶし、かといってBを優先すればDが立ち行かなくなる、そのような状況です。
プロジェクトに関係しているメンバーのモチベーションにも関わることでもあるのに、私のスキルと知識では最適解が見つけられませんでした。

いよいよ焦りも大きくなってきたため、上司に話をしにいきます。
間髪入れず上司は、「〇〇でいきましょう。」と即決断です。

その決断に対して、私は懸念点を伝えますが、「大丈夫。そこは●●にして、こちらは△△で進めればいいです。だめだったら私が出ていくから」と即答です。

早さと的確さのある決断に、目から鱗が落ちる体験です。
そして、そこには上司としての覚悟を持っていてくれていたことを、後から知るのでした。

決断=自信をもって言い切る(たとえ自信がなくとも部下に見せない)

私には足りないチカラだったので、そのチカラを持っている上司は、より頼もしく感じます。

「理解力」と「決断力」を持っている上司だからこそ、部下に対しての「安心」と「信頼」が確固たるものになります。

<余談>自分視点で経験を活かす

残念な経験と嬉しかった経験、書ききれないほどのエピソードがありますが、「あー、イライラした」「あー、良かった」で終わらせてはいけません。その経験は宝物です。

記憶にいつまでも色濃く残っているということは

忘れちゃいけないということ

だから、そこに隠れている学びを見つけ出す

そして、次の機会に実践する

社名
所在地

TEL/FAX
設立
代表取締役

株式会社シールズ
〒108-0022 東京都港区海岸3-19-2
マリンシティダイヤモンドパレス716号室
03-3454-4339
2007年3月
澤田玲奈

事業内容
・人財開発コンサルティング事業
・不動産コンサルティング事業
・クラウドソリューション開発事業

〈社名〉
株式会社シールズ
〈所在地〉
〒108-0022 東京都港区海岸3-19-2
マリンシティダイヤモンドパレス716号室
〈TEL/FAX〉
03-3454-4339
〈設立〉
2007年3月
〈代表取締役〉
澤田玲奈

事業内容
・人財開発コンサルティング事業
・不動産コンサルティング事業
・クラウドソリューション開発事業